地球温暖化

2021年7月11日

 東京をはじめ近県では、コロナの感染者数が政府の期待通りには減りません。 一年以上の穴居生活に疲れ、あるいは慣れてしまい、週末になると浅草はかなりの人出です。緊急事態宣言も解除。代わりに医療従事者へのワクチン接種は始まっています。 「オリンピックはやるの?やらないの?」との議論も盛んですが、暫く感染者数の推移を観察しないとなんとも言えません。すでに大金が投入されているので、止めるも困難、やるも困難と言われています。ただ経済的損失は時間をかければ補填できますが、失われる人命は取り返しがつきません。様々な軋轢もあるのでしょうが、ここのところは慎重に決断すべきだと思います。情況に惑わされてはいけません。ただこの通信が皆さまのお手元に届く頃には、もう決定しているかもしれません。あらゆるリスクを想定してあくまで実施するというのであれば、テレビ観戦というカタチで声援を送りたいと思っています。

 いろんな事がありました。 高度成長期があり、トイレットペーパーが売り場から突然消えたオイルショックがあり、狂乱のバブル経済があり、リーマンショックがあり、十年前の東日本大地震は過去に例のない大災害でした。命を亡くされた方のご遺族や住む家を無くされた方、または福島の原子力発電所の事故で、地域からの退避を余儀なくされた被災者の方には、心よりのお悔やみを申し上げます。

 だけど今度のコロナは世界中の誰もが避難民です。じっと首をすくめて災禍が過ぎるのを待つしかありません。 給与所得者の皆さんは、リモートワークとなり、通勤客が激減して鉄道会社は軒並み赤字です。ただ数ヶ月続けてみれば、業績にはさほど支障がなかったことが判って、高いテナント料金を払って都心部に会社を構える必要もないという新たな局面を迎えそうです。

 渋谷駅前の超高級オフィスビルから、風光明媚な富士山の裾野への移転を計画している、大手芸能プロダクションもあるとも聞きます。それは取りも直さず、土地を所有していれば子々孫々まで安泰という、いわゆる土地神話にも陰りが見えているのです。地主さんもこれからは変化が求められます。浅草でも外食チェーンの閉店が相次いでいます。またオリンピックのインバウンドを当て込んで、次々に建築されたビジネスホテルも開店出来ないままです。少しの空き地も見逃さず忽ちコンクリートの建造物で埋めてテナント料を稼ごうという、資本主義の概念に見直しが迫られています。

 産業革命以来、大量生産とそれを支える旺盛な消費こそが、人類発展のエネルギーとされてきました。それはワットの蒸気機関の発明以来、石炭に始まる化石燃料を燃やすことでした。僕の少年時代には筑豊の炭鉱が先細りながら採炭を行っており、それがささやかに唐津の景気を支えていました。石炭を積んだテトラパック型の無蓋貨車が蒸気機関車に引かれる、夕暮れの寂しい風景が目に焼き付いています。やがてその石炭も役割を終え、やがて地下から汲み出した原油を精製したガソリンで電力を賄い、家電製品の天下になりました。蒸気機関車はディーゼルカーから電力とその地位を移譲。やがて自動車が鉄道に取って代わり、地方の廃線に繋がります。全国に高速道路網が整備されると、トラック輸送が流通経済を支えました。炭素社会へ驀進です。結果「進歩と繁栄」は達成できたかもしれないけれど「自然との調和」はなおざりにされました。人々が無我夢中で同じ方向に走り出すと、もう誰にも止められません。

 熊本では窒素の工場から水銀が垂れ流しにされ、水俣病という深刻な公害問題が発生しました。 アメリカの農業政策のコピーでしょうが、戦前から続く食料不足の解決のため、大量の農薬が使用されます。そして昆虫が駆除されると、小川からメダカが消えました。燕も渡って来なくなりました。農薬は川を下り海に至り、魚介類に危害を与えます。近海漁業が徐々に廃れたのも、そんな海洋汚染とも無関係ではないと思います。今では自然農法も試されているようですから、やがては田畑に農薬を撒いて収穫を得る方法も根底から見直されるのではないか?と期待しています。水田に合鴨を放す「合鴨農法」も実施されているようです。もっと研究を進めていただいて、自然と農業との上手い折り合いがつくと嬉しいです。そしたら葉物野菜に多少の虫喰いがあっても我慢します。

 コロナが去って一段落したら、人類が本気で取り組まねばならないのが地球温暖化の問題です。こちらも切羽詰まった問題なので、のんびりと構えてはいられません。温暖化ゆえに発生する自然災害とも闘わねばなりません。地球規模で取り組まねばならない課題ですから、南シナ海の覇権を目論んだり、こっそり核開発をする暇も金もないはずです。道が遠すぎて暗澹たる気分にもなりますが、互いに智恵を出し合って理想を目指して征くしかありません。みんなが寄ってたかって傷つけたヨレヨレの地球を、産業革命以前の体調に戻そうというのですからこれは一筋縄ではいけません。風力や太陽光を使ったエネルギーに転換する。するとその電力を蓄積するための燃料電池が不可欠ですよね。そうじゃないと電力使用がお天気に左右されることになります。自動車業界は燃料電池車の開発に拍車をかけていただく。そして消費者がガソリン車やディーゼル車を買わなくなれば、超炭素社会がいくらかは改善されると思います。

 難関は航空機ですよね。かなりの二酸化炭素を大気中に撒き散らします。繊維を原料としたエタノールで貨物機を飛ばす実験も始まったようですから、未来はなんとかなるのではないか?とも思いますが、温暖化がこのテンポで深刻化したら、そう悠長に構えてもいられません。航空各社にお勤めの方々には慚愧に耐ないのですが、やがて大転換がやって来るかもしれません。ヨーロッパでは環境を守るために、航空便を利用せずなるだけ鉄道を使って移動するという人々も現れているそうです。ただ「時は金なり」という観念は根強いので、一朝一夕には空路から陸路の移管は難しいですよね。

 高速地上輸送の一縷の頼みは実証実験中のリニアモーターカーです。東京―名古屋間を乗車する人はいないでしょうが、例えばヨーロッパやアメリカまで高速鉄道での移動が出来るとなれば、話は別ですよね。低料金と安全性が担保されれば利用者は徐々に増えると思います。空と違って地上を移動する方が何と言っても安全です。天文学的な建設費が掛かるのでしょうが、リニアモーターカーがシベリア鉄道と同じルートを走って、何処か中央アジアの街で途中下車、ゆっくり散歩してエスニックな料理を楽しんで一泊する、なんてことが出来るようになると素晴らしいと思いません? 「えっ、何?俺は一分でも早く着きたい?」まあいいじゃないですか。大らかにいきましょうよ、人生は。

 森林減少も難問です。「木を切り倒して畑にしないと、家族を養えない・・・」 解ります。これは地域社会だけの経済問題ではなく、世界全体で取り組まねばならない課題です。あと、水資源枯渇の警鐘も気になります。これは国境紛争や戦争に発展する危機を孕んでいるからです。人工的に雨を降らすとか、海水を真水に変えるとかの実験はかなり以前から行われていますが、まだ吉報が聞こえません。「コストがかかりすぎる」という問題があるようです。取り敢えずは節水から始めなければならないのでしょうね。海外のドキュメンタリー番組を視ると、牛を育てるには吃驚するほどの水を使うので、ハンバーガーを食べるのをやめる運動とか、代わりに植物を原料にした人造肉が開発されたりしています。

 僕は園芸については門外漢なのですが、最近ベランダで雑草を育てる佳人が増えているそうです。もともと雑草という植物は存在しないのですが、環境に馴染み易く、土手に植えると丈夫な根がしっかりと地面を掴んで、集中豪雨の時に土砂崩れを防いでくれるのだそうです。小動物の餌にもなります。

その他

Posted by hide-san